読書記録「貧乏物語 現代語訳」

「貧乏物語 現代語訳」(河上肇 著、佐藤優 訳・解説、講談社現代新書)を読んだ。

〜貧乏人とは
1・他の誰かよりも貧乏な人
2・生活保護などの公的扶助を受けている人
3・身体を自然に発達させ維持するのに必要なものだけをギリギリまかなえる(貧乏線上にいる)もしくはそれすらも十分に得られない人(貧乏線以下の人)

〜なぜ多数の人が貧乏しているか
生活必需品の生産量が足りないから。
┗ 一部の富裕層と多数の貧乏人が存在する。富裕層は米や下駄を買ってもまだお金が余っており、贅沢品を求める。これは「購買力を伴った需要」であるため、購買力の低い貧乏人の需要(生活必需品が欲しいという需要)は追いやられ、贅沢品が供給され、儲けにならない生活必需品の供給は欠乏する。
┗貧乏な人は生活必需品を購入する資力がないことによってますます貧乏に苦しむ。

〜どうすれば貧乏を根治できるか
1・裕福な人々が自ら進んで一切の贅沢をやめる(贅沢の抑制)
2・なんらかの方法で貧富のひどい格差を縮小する(所得再分配
3・各種の生産事業を民間人の金儲けの手段にするのではなく、政府が自ら行う(産業の国有化)
→河上の意見は最終的に2,3を否定し、1へ。

佐藤優さんの考える貧乏の根治
1・子どもの貧困対策として、教育の原則無償化
富裕層も含む。消費税で確保できるはず。
2・河上も唱える、自覚した富裕層による再配分
貧困層への贈与。例えばフードバンクなど。
3・友人同士の「相互扶助」
┗お互いに助け合うことのできる友人を作っておこう。そして、食事や酒の時間をもっと楽しもう

こんな感じの内容だった。

なんだそんなことか、と思えるかもしれないけど、改めて佐藤さんの深い知識に裏付けられた口から出る「相互扶助」の考え方は響いた。
少し前まで、自助努力のみでやってけるのがカッコいい、と思ってた私だけど、自分の実力的にもしんどいと気づいた。
また、ますます少子高齢化する日本。地域ぐるみで互いを見守りあえる温かさが、貧困の恐怖を減らすと思う。

家族のように構ってくれる我が社は、単なる労働者にと資本家の間柄を超えた温かい組織。
感謝しつつ、しがみつかずに働きたい。

それから、特別富裕層かどうかにかかわらず、寄付文化が日本社会により根付くといいな、と思う。

雑駁だけどこの辺で。